喉の音

喉の音

「喉の音」はブリッジ音域とも呼ばれ、これはデンナーがシャリュモーを改良した際に、基音列と第3倍音列の間を埋めるために2つのキー(十字形に交わっていることからクロス・キーと呼ばれる)を取り付けたために、このように呼ばれる。
そのため、倍音に乏しく、暗くくすんだような音色になりがちである。
標準の運指では、高音域と行き来する場合、たくさんの指を一度に動かす必要があり、また鳴動する管長が著しく変化するため呼気のコントロールが難しい。
初心者にとって、喉の音の音質、そして喉の音を含むパッセージの運指や呼気のコントロールは、最初につまづく問題になる。
喉の音の克服法 [編集] 楽器の選定 標準の運指で喉の音が豊かに鳴る楽器を選定することが望ましい(とはいえ、楽器の他の側面のクオリティとの兼ね合いであって、熟達した奏者ならば必ずしも避ける必要はない)。
替え指 クラリネットの初心者用として非常によく用いられる教則本「クラリネット学習の為の合理的原則 基礎編」の中で、J. R. グルウサンはごく早い時期に喉の音と高音域とを行き来するための替え指を身につけるように著している。
これは、運指をスムーズにするだけでなく、音色の向上にもつながる。

シャリュモー音域

シャリュモー音域

「喉の音」よりも低い音域はシャリュモー音域と言われ、甘美な音色で非常に愛される。
この呼び名は、そのもととなったフランスの古楽器である前述のシャリュモーにちなむ。
シャリュモー音域の下(低音域)は、太く、野性的な響きを併せ持ち、怪しげな雰囲気を出すことも可能である。

クラリオン音域とアルティッシモ音域

「喉の音」よりも高い音域はクラリオン音域と言われる。
シャリュモー音域の第3倍音に当たり、明るく開放的で、よく通る音色は金管楽器のクラリオンを彷彿させる。
「小さな(接尾辞et)クラリオン(clarion)」という意味の「クラリネット(clarinet)」という名称もこの音色からきていると思われる。
さらに、シャリュモー音域の3オクターブ上に当たる最高音域(アルティッシモ音域と言われる)があり、比較的細身で、極めて通りの良い音がするが、音程はとりにくく、音質は鋭い。

クラリオン音域とアルティッシモ音域

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